鹿角ボタンとは
鹿角ボタンとは、鹿の角を切削して作る天然素材のボタンで、骨質特有の色むら、年輪状の模様、重厚な表情を生かして用いる付属です。
定義と概要
鹿角ボタンは、鹿の角を素材に用いるボタンです。鹿の角は骨質の硬い天然素材であり、白色から茶色、黒褐色までの色調や、断面に現れる模様に個体差があります。そのため、同じ規格でも一点ごとに表情が異なります。
角の枝分かれした形を生かした装飾用のものと、角材を輪切りまたは切削して衣料用に整形したものがあります。前者は形状が不規則になりやすく、後者は丸形、楕円形などとしてボタンホールに通して使われます。
素材と構造
衣料用の鹿角ボタンは、表面に二つ穴または四つ穴を開けた形が基本ですが、穴数や穴の配置は製品により異なります。厚みのある天然素材のため、穴の周囲や縁の仕上がり、裏面の平滑さも個体ごとに確認します。
穴を通す一般的なボタンのほか、裏面に足を設けた足つき形状もあります。足つきは厚地や起毛素材でボタンを表面から浮かせたい場合に適しますが、足の強度とボタンホールへの通しやすさを事前に確認します。
- 天然素材のため、色、模様、厚み、外周形状にばらつきがあります。
- 小さな孔、筋、表面の凹凸は素材由来の表情として扱われる場合があります。
- 天然の鹿角と、鹿角調に成形した樹脂製ボタンは素材と取り扱いが異なります。
サイズの表し方
鹿角ボタンのサイズは、一般的に直径または最大幅をmmで表します。丸形では直径、枝角形や不定形では縦横の最大寸法を確認し、ボタンホールの長さと見え方を合わせます。
ボタンではリーニュ表記も用いられます。1リーニュは2.54mmであり、リーニュからmmへ換算できます。ただし鹿角ボタンは外周が均一でないものもあるため、数値だけでなく現物の形状と厚みを確認することが重要です。
主な用途
天然素材らしい素朴さと重厚感を生かし、ウールのコート、ジャケット、カーディガン、ベストなどに用いられます。ツイード、メルトン、フランネルのような厚みや起毛感のある生地と組み合わせることが多くあります。
カントリー調、アウトドア調、民族調のデザインのほか、天然素材の付属をアクセントにしたバッグや小物にも使われます。不規則な形状のものは、前あきの実用ボタンよりも飾りボタンとして用いることがあります。
付け方と取り扱いの注意
穴あき形状は、太めで強度のあるボタン付け糸を用い、縫い糸が生地に食い込まないよう必要に応じて根巻きをします。ボタン自体に厚みや重量があるため、薄地では力ボタンを併用するなど、表地への負担を抑える方法を検討します。
強い衝撃や無理な開閉は、割れや欠けの原因になります。洗濯、ドライクリーニング、アイロンへの耐性は、素材の状態、仕上げ、縫い付け仕様によって異なるため、付属単体および製品として試験・確認してから洗濯表示を決めます。
高温のアイロンを直接当てること、長時間の水濡れや高湿度環境での放置は避けます。熱、水分、洗剤、薬剤、紫外線などにより、変色、乾燥による割れ、表面変化が生じる可能性があるため、プレス時は当て布を用いてボタンを避ける方法が適します。
よくある質問
鹿角ボタンは本水牛ボタンと何が違いますか。
どちらも動物由来の天然素材ですが、鹿角ボタンは鹿の角の骨質を用い、年輪状の断面模様や不規則な表情が特徴です。本水牛ボタンは水牛の角を用いるため、素材の組成、色調、切削時の見え方、仕上がりが異なります。天然素材である点は共通します。
鹿角ボタンは家庭洗濯やドライクリーニングができますか。
可否はボタンの仕上げや製品仕様により一律には決められません。洗濯やドライクリーニングによって変色、乾燥、割れ、欠けが生じる可能性があるため、採用前に想定するケア条件で付属単体と製品状態の試験を行い、洗濯表示を決定します。





