LCAとは
LCAとは、原料調達から生産、輸送、使用、廃棄・再資源化までの製品のライフサイクルに伴う環境影響を、定めた範囲と条件に基づいて評価する手法です。
定義と位置づけ
LCAはライフサイクル全体を対象に、温室効果ガス排出量、エネルギーや水の使用、資源消費などの環境影響を評価する考え方です。生地や衣料品そのものに付与される認証ではなく、比較や改善のための評価手法です。
認証制度は原料の由来、化学物質管理、工程管理などについて定めた要求事項への適合を確認します。一方LCAは、評価対象、対象範囲、算定方法を設定して環境影響を数値化するため、認証取得の有無とは区別して扱います。
対象範囲と基準の考え方
結果は、どこからどこまでを評価するかで大きく変わります。原料採取から生地出荷までを対象にする場合もあれば、縫製、物流、着用時の洗濯、廃棄・再資源化までを含める場合もあります。
複数の生地や製品を比較する際は、同じ機能を果たす単位、対象工程、地域や電力条件、配分方法などをそろえることが重要です。条件が異なる数値を単純に比較すると、誤解を招くおそれがあります。
- 評価目的と対象製品
- 機能単位。例として生地の面積や衣料品一点など
- 対象工程と除外した工程
- 使用したデータの時点、地域、算定条件
- 環境影響の項目と算定結果の解釈
生地仕入れと製品づくりでの確認事項
生地を仕入れる際は、LCA実施の有無だけでなく、対象が原料から生地までなのか、製品段階までなのかを確認します。混用率、目付、幅、染色・整理加工、再生原料の割合など、評価の前提となる仕様も確認が必要です。
製品企画では、生地以外に副資材、縫製、輸送、使用時の手入れ、回収・廃棄も影響します。生地単体の評価結果を完成品全体の結果として扱わず、仕様変更時には評価範囲と比較条件を見直します。
表示と証明書の注意点
「LCA実施」「環境負荷が少ない」と表示する場合は、評価の対象、範囲、比較対象、算定主体を明確にします。特定の影響項目だけが改善していても、全ての環境影響が低いことを意味するとは限りません。
算定結果や第三者による検証書類を受け取る場合は、対象製品の品番や仕様、適用期間、評価範囲、算定方法、検証の範囲を確認します。取引先からの資料は、製品表示や対外発信に使える根拠かを別途確認します。
よくある質問
LCAは認証ですか。
LCAは認証ではなく、製品やサービスのライフサイクルにおける環境影響を評価する手法です。認証マークのように取得の有無だけで判断するものではなく、評価範囲、前提条件、データ、算定方法を確認して結果を読み取ります。
生地のLCA結果は、そのまま衣料品の環境表示に使えますか。
そのまま完成品の結果としては使えません。生地の評価範囲に縫製、副資材、製品輸送、洗濯などが含まれていないことがあるためです。完成品として表示する場合は、対象範囲を明示し、主張内容に対応した根拠を確認します。
リサイクル素材ならLCAで必ず有利ですか。
必ず有利とは限りません。再生工程、輸送距離、電力条件、品質を維持するための混用や加工、比較する機能単位によって結果は変わります。同一条件で評価し、特定項目だけでなく評価全体を確認することが必要です。





