微多孔膜・無孔膜とは
微多孔膜・無孔膜とは、防水透湿素材などの中間層に用いられ、水の侵入を抑えながら衣服内の水蒸気を外へ移動させる膜の構造分類です。
目次6項目
定義と概要
微多孔膜・無孔膜は、表地や裏地の間に配する薄い機能膜、すなわちメンブレンの構造を分ける呼び方です。単独の織物名や編物名ではなく、ラミネートやボンディングによって生地に機能を加える材料・構造を指します。
微多孔膜は微細な孔を利用し、液体の水滴が通りにくく水蒸気が抜けやすいよう設計されます。無孔膜は孔を持たず、膜への吸着、拡散、放出によって水蒸気を移動させる仕組みです。
特徴と見た目
いずれも防水性と透湿性の両立を目的に用いられますが、性能は膜だけで決まりません。表地の撥水性、膜の種類や厚み、裏材、積層構成、縫い目の処理によって、蒸れにくさ、しなやかさ、耐久性が変わります。
表面の見た目は、組み合わせる表地に左右され、マット、光沢、織柄などさまざまです。一般的に、膜を積層した生地は通常の一枚生地よりハリや反発感が出る場合があり、膜の種類や構成によっては擦れ音を感じることもあります。
主な用途
雨や風への対応と衣服内の蒸れの軽減が求められるアウター、レインウェア、アウトドアウェア、スポーツウェア、ワーキングウェアなどに使われます。春秋の軽衣料から寒冷期のシェルまで、重ね着を前提とするアイテムにも適します。
防水性を製品全体で求める場合、縫い目は針穴から水が入り得ます。そのため、生地の防水透湿性能だけでなく、シームテープによる縫い目の目止め、止水性を考慮したファスナーやポケット仕様も合わせて検討します。
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、防水性、透湿性、表地の耐摩耗性、ストレッチ性、裏面の肌当たりを用途に応じて確認します。微多孔膜と無孔膜のどちらが適するかは、使用環境、必要な耐久性、洗濯条件、製品仕様を基に生地ごとの試験値と品質表示で判断します。
縮みや寸法変化は表地・裏地・接着層を含む積層生地全体の性質に依存します。量産前に洗濯試験と縫製試験を行い、収縮差、ねじれ、層間の浮きがないかを確認します。高温乾燥や強い熱プレスは、膜や接着層を傷めるおそれがあるため注意が必要です。
縫製では、細すぎる針や過度な縫い密度による膜への負担、針穴からの浸水、押さえ跡に留意します。アイロンは当て布を用い、生地ごとに定められた温度と洗濯表示に従います。撥水性が低下した場合の手入れ方法も、個別の取扱い表示を優先します。
似ている用語との違い
防水透湿は、水の侵入を抑えつつ水蒸気を通しやすくする機能全体を指します。一方、微多孔膜・無孔膜は、その機能を実現する膜構造に着目した分類です。防水透湿と表記されていても、膜の構造が明示されない場合があります。
ラミネート・ボンディングは、膜や生地を貼り合わせる加工方法です。微多孔膜・無孔膜は貼り合わせる対象となる膜の構造であり、同じ意味ではありません。2レイヤー・3レイヤーは、表地、膜、裏材などの積層構成を表します。
よくある質問
微多孔膜と無孔膜では、どちらが透湿性に優れますか?
防水透湿生地なら、縫い目からも水は入りませんか?
通常のミシン縫製では針穴が生じるため、生地自体が防水でも縫い目から浸水することがあります。レインウェアなどで製品としての防水性が必要な場合は、シームテープによる目止めと、縫製仕様を含めた防水設計が必要です。
微多孔膜・無孔膜を使った生地は洗濯で縮みますか?
縮みの程度は、膜の種類だけでなく表地、裏材、接着層、仕上げによって異なります。水洗い、乾燥、熱プレスで寸法が変化する場合もあるため、洗濯表示を守り、製品化前には実際の洗濯条件で縮率と層間の状態を確認します。





