塩化カルシウム法・酢酸カリウム法とは
塩化カルシウム法・酢酸カリウム法とは、吸湿剤または塩類水溶液を用いて生地を通過する水蒸気量を測定し、透湿性を評価する試験方法です。
目次6項目
定義と概要
塩化カルシウム法・酢酸カリウム法は、衣服内の蒸れに関わる透湿性を、一定条件下で数値化する試験方法です。試験片を容器に取り付け、容器内外の水蒸気圧の差によって生じる水蒸気の移動量を測定します。
塩化カルシウム法では容器内の塩化カルシウムが水蒸気を吸収することを利用します。酢酸カリウム法では酢酸カリウム水溶液を用いて湿度条件をつくり、試験片を通る水蒸気量を評価します。
評価値の特徴
測定結果は一般に透湿度として扱われ、値が大きいほど、その試験条件で水蒸気を通しやすいことを示します。ただし、試験方法、温度・湿度、試験時間、試料の状態が異なる数値は、単純に比較できません。
透湿度は生地単体または積層材料の機能を示す指標であり、風合い、厚み、見た目を直接評価するものではありません。同じ透湿度でも、素材、組織、コーティングや膜、裏地の有無によって着用時の蒸れ感は変わります。
主な用途
防水透湿素材、コーティング生地、ラミネート生地など、水の浸入を抑えつつ衣服内の水蒸気を逃がしたい材料の開発や品質確認に用いられます。アウター、レインウェア、スポーツウェア、アウトドアウェアなどで確認されることが多い試験です。
春夏向けの軽衣料やユニホームでも、発汗時の快適性を検討する際の参考になります。ただし、通気性、吸水性、吸湿性、肌離れなども着用快適性に影響するため、透湿度だけで用途適性を判断しないことが重要です。
選定と取り扱いの注意点
生地を選ぶ際は、透湿度の値だけでなく、採用された試験法と試験条件を確認します。防水性が必要な製品では耐水圧、蒸れにくさを重視する製品では通気性も併せて確認し、製品仕様に応じて評価します。
この試験は縮み、洗濯耐久性、縫製のしやすさを直接示しません。洗濯や摩耗による機能変化を想定する場合は、洗濯後の試験結果や加工の耐久性を確認します。製品では縫い目、ファスナー、裏地も水蒸気の移動に影響します。
似ている用語との違い
透湿度は水蒸気の通りやすさを示す性能値であり、塩化カルシウム法・酢酸カリウム法はその値を測るための試験方法です。防水透湿は、水の浸入を抑える防水性と水蒸気を通す透湿性を組み合わせた材料や機能の呼び方です。
通気性は空気の通りやすさを評価する性質で、水蒸気の移動を評価する透湿性とは異なります。通気性が低い材料でも、構造や膜の性質によって水蒸気を通す場合があります。





