パークロロエチレンとは
パークロロエチレンとは、主にドライクリーニングで用いられる塩素系有機溶剤で、衣料や副資材の耐溶剤性、接着状態、外観変化を確認する際に関わる物質です。
定義と概要
パークロロエチレンは、水を使わず溶剤で汚れを落とすドライクリーニングに用いられることがある有機溶剤です。生地そのものの繊維名や織物名ではなく、製品の手入れ方法と耐久性に関わる洗浄溶剤です。
油性の汚れを落とす用途で扱われますが、素材、染色、コーティング、プリント、接着加工などとの組み合わせによっては、外観や性能に影響する場合があります。
風合いと外観への影響
パークロロエチレンが生地の風合いや見た目を良くするものではありません。洗浄後の変化は、基布の繊維だけでなく、樹脂加工、ラミネート、顔料プリント、合成皮革、接着剤などを含めた製品構成によって決まります。
特にポリウレタンを含むコーティング、フィルム、フォーム、ストレッチ素材や接着部は、硬化、べたつき、はく離、ひび割れなどが生じるおそれがあります。ドライクリーニング可能と考えず、使用部材ごとに適性を確認することが重要です。
主な関わり方
ウール製のスーツ、コート、フォーマルウェアなど、水洗いによる型崩れや縮みを避けたい衣料では、ドライクリーニングを前提に設計されることがあります。ただし、実際に用いる溶剤はクリーニング店や洗濯表示の指定によって異なります。
衣料以外にも、接着芯を使った部位、プリントや装飾を施した製品、合成皮革を組み合わせた製品では、洗浄工程での耐溶剤性確認が必要です。パークロロエチレンへの耐性は、表地だけでなく副資材も含めて評価します。
- ドライクリーニングを想定したジャケット、スーツ、コート
- 芯地や接着剤を使用した衿、前身頃、見返し
- ポリウレタン加工、コーティング、ラミネートを含む製品
- プリント、転写、装飾パーツを組み合わせた製品
取り扱いと表示の注意点
企画時は、完成品または部材を組み合わせた試験片で、想定する洗浄方法による変化を確認します。色落ち、移染、収縮、接着はく離、表面のべたつき、光沢変化などを確認し、必要に応じて洗濯表示と取扱説明を設定します。
パークロロエチレンが適さない副資材が含まれる場合、石油系溶剤など別の方法を推奨する仕様となることがあります。縫製では、縫い糸、芯地、テープ、プリント、付属を含む全構成で確認し、部分的な耐性だけで判断しないようにします。
似ている用語との違い
ドライクリーニング堅牢度は、ドライクリーニングによる色の変化や他素材への汚染の起こりにくさを評価する品質項目です。一方、パークロロエチレンは、その評価や洗浄で使用されることがある溶剤の名称です。
耐溶剤性は、溶剤に触れた際の材料の変化への強さを広く指します。パークロロエチレンに対する適性は耐溶剤性の一部であり、すべての溶剤に耐えることを意味しません。
よくある質問
パークロロエチレンでドライクリーニングできない素材はありますか。
パークロロエチレンと石油系溶剤は同じですか。
同じではありません。パークロロエチレンは塩素系有機溶剤であり、石油系溶剤とは性質が異なります。そのため、同じドライクリーニングでも材料への影響が変わることがあります。製品仕様では、想定する洗浄溶剤を明確にし、構成部材の適性を確認します。
パークロロエチレンへの耐性はどのように確認しますか。
表地だけでなく、芯地、接着剤、縫い糸、プリント、付属を組み合わせた試験片、または完成品で確認します。洗浄後は色差、移染、収縮、接着部のはく離、硬化やべたつき、表面光沢などを確認します。必要な試験条件は取引先や用途に応じて設定します。





