溶接カンとは
溶接カンとは、金属線材を曲げて輪状に成形し、継ぎ目を溶接またはろう付けで閉じた、テープやひも、ベルトを連結するためのカン類です。
定義と概要
溶接カンは、切れ目のある線材リングの継ぎ目を接合して閉じた金具です。丸形、D形、角形などがあり、テープやひもを通して、つなぐ、吊るす、長さを調整するための部品として用います。継ぎ目が閉じていることが基本的な特徴です。
「カン」は輪状または枠状の金具の総称です。溶接カンは形状名ではなく継ぎ目の加工・構造を表す呼び方であり、丸カンやDカンなどにも溶接仕様のものがあります。
素材と構造
多くの場合、鉄、真鍮、ステンレスなどの金属線材が用いられます。素材、線径、形状、接合部の仕上げによって、強度、重量、耐食性、外観が異なります。表面にはメッキや塗装などの仕上げが施されることもあります。
継ぎ目は溶接またはろう付けで一体化されます。継ぎ目が開いたままの二重リングなどと比べ、テープやひもが隙間から外れにくい構造です。ただし、接合部の強さは母材の太さだけでは判断できません。
- 鉄製は比較的強度を確保しやすい一方、防錆仕上げの確認が必要です。
- 真鍮製は色調や経年変化を意匠に生かせますが、湿気などにより変色する場合があります。
- ステンレス製は耐食性が求められる用途で選ばれますが、材質や環境により耐久性は異なります。
サイズの表し方
サイズは一般に、テープやベルトを通す内寸で確認します。例えば内幅は、通すテープの仕上がり幅に対応する寸法です。同じ呼び寸法でも形状、線径、角の丸み、接合部の盛り上がりにより、実際の通しやすさは変わります。
発注時は内幅だけでなく、内高、外寸、線径、形状、素材、表面仕上げを仕様書に記載します。テープを折り返して通す場合や厚地を使う場合は、試作で通し具合と可動性を確認することが重要です。
主な用途
バッグのショルダーテープの連結部、持ち手の取付部、ベルトの付属、キーホルダー、ストラップなどに使われます。衣料では、ウエストベルト、肩ひも、背面の調整部、装飾的なループなどに用いられます。
荷重を受ける箇所では、カン単体だけでなく、通すテープ、縫い付け部、縫製仕様を含めて強度を設計します。送りカンやコキカンなどの調整金具と組み合わせる場合は、各部品の寸法適合も必要です。
選び方と注意点
用途に応じて、想定荷重、繰り返し使用、衝撃の有無から素材、線径、接合方法を選びます。安全性が求められる用途では、完成品に近い状態で引張試験などを行い、接合部の破断や変形、テープの抜けを確認します。
水分、汗、洗濯、海水、摩擦などにさらされる製品では、さび、メッキ剥がれ、変色、緑青の発生を確認します。異素材のテープや生地に接触する場合は、色移りや汚れも事前に評価します。
金属製の溶接カンは検針機に反応します。検針対応が必要な製品では、金具の使用位置と検針工程を管理し、仕様に応じた検針基準を生産先と共有します。
- テープ幅だけでなく、テープの厚みと折り返し量を考慮します。
- 接合部にバリ、鋭利な箇所、メッキむらがないか確認します。
- 丸カン、Dカン、角カンは形状が異なるため、見た目と可動域の両方で選定します。
よくある質問
溶接カンと丸カンの違いは何ですか。
溶接カンは継ぎ目を溶接またはろう付けで閉じた構造を示す名称です。丸カンは丸い形状を示す名称であり、丸カンにも溶接されたものと、切れ目のあるものがあります。発注時は形状と継ぎ目の仕様を分けて確認します。
溶接カンは通すテープ幅と同じ内幅を選べばよいですか。
薄いテープを一重で通す場合は内幅を基準にできますが、厚み、折り返し、縫い代、可動性を考慮する必要があります。特に厚地のテープや二重使いでは、内幅が同じでも通しにくくなるため、現物での確認が必要です。
溶接カンは検針できますか。
金属製の溶接カンは一般に検針機へ反応します。ただし、反応の程度は金具の大きさ、素材、検針機の条件などに左右されます。製品の検針基準に従い、実際の仕様で検出性を確認して工程を設定します。





