グリーンウォッシュとは
グリーンウォッシュとは、環境に配慮しているように見せながら、その根拠が不十分又は実態を正確に反映しない表示や訴求を行うことです。
定義と位置付け
グリーンウォッシュは認証名や単独の法規制名ではなく、環境配慮に関する広告、表示、説明が消費者や取引先に誤解を与える状態を指す言葉です。生地、製品、包装、企業活動など、訴求の対象は幅広くなります。
環境負荷を完全にゼロにできないこと自体が問題なのではありません。再生原料の配合、化学物質管理、排出量削減などについて、範囲・条件・根拠を示さず、実際以上に環境配慮的だと受け取られる表現にすることが問題になります。
対象と基準の考え方
判断では、主張の対象範囲、比較の基準、裏付け資料の有無を確認します。例えば「環境にやさしい生地」という表現だけでは、原料、紡績、染色加工、輸送、製品化のどこを評価したのかが分かりません。
認証を用いる場合も、認証の対象範囲と主張を一致させる必要があります。原料段階の認証を、生地全体又は完成品全体の環境性能を保証するかのように扱わないことが重要です。
- 曖昧な環境表現だけで、具体的な取組内容がない
- 一部工程又は一部原料の取組を、製品全体の特性として示す
- 比較対象、算定方法、対象期間を示さずに削減を訴求する
- 認証の有効性、適用範囲、対象ロットを確認せずに表示する
生地仕入れと製品づくりでの確認
生地を仕入れる際は、素材名や再生原料の配合率だけでなく、対象となる品番、色、ロット、工程を仕入先に確認します。認証生地として扱う場合は、取引書類上でも対象品を追跡できるように管理します。
製品表示や販売資料を作る際は、生地の情報を製品全体の情報へ拡大解釈しないことが必要です。表地だけに該当する特徴であれば表地に限定して記載し、副資材、裏地、加工を含む製品全体の主張とは区別します。
- 仕入先の仕様書、組成情報、認証書類の対象品と有効期限を確認する
- 再生原料や認証原料の含有率と、その算定対象を確認する
- 製造工程ごとの情報を必要に応じて整理し、根拠資料を保管する
- 下げ札、商品ページ、営業資料で用いる表現を事前に照合する
表示と証明書の注意点
証明書は環境配慮の表現を自動的に正当化するものではありません。発行主体、認証規格、認証者、対象範囲、有効期限を確認し、証明書に記載のない性能や環境上の利点まで訴求しないようにします。
「サステイナブル」「エコ」などの包括的な言葉は、具体的な事実と併記すると誤解を抑えやすくなります。表示先の国や地域、販売形態によって広告・表示に関するルールが異なるため、輸出や越境販売では個別の確認が必要です。
似ている用語との違い
グリーンウォッシュは、環境に関する主張の適切さを問う概念です。エコテックス、GOTS、GRSなどは、一定の基準や手順に基づく認証・規格であり、グリーンウォッシュそのものを認証する制度ではありません。
トレーサビリティは、原料や工程の履歴を追跡できる状態を指します。トレーサビリティの整備は根拠確認に役立ちますが、それだけで環境負荷が低いことを意味するものではありません。
よくある質問
再生ポリエステルを使えば、環境配慮と表示してよいですか。
再生原料を使用している事実は、対象素材、配合率、根拠資料を確認したうえで具体的に表示します。ただし、その事実だけで製品全体が環境にやさしいと断定することは避けます。染色加工や副資材を含む対象範囲も明確にします。
認証書があればグリーンウォッシュにはなりませんか。
認証書があっても、認証対象外の原料、工程、製品全体にまで主張を広げれば誤解につながるおそれがあります。認証の種類、対象品、対象工程、有効期限を確認し、書類で裏付けられる範囲に限って表示することが必要です。
環境訴求の表現はどのように書けばよいですか。
包括的な評価語のみを使わず、確認できる事実を具体的に示します。例えば、対象部位、素材、含有率、認証の名称と適用範囲を明記します。比較や削減を示す場合は、比較対象、評価方法、対象期間も社内で説明できるようにします。





