リサイクルポリエステルとは
リサイクルポリエステルとは、使用済み製品や製造工程で生じたポリエステル原料などを再利用して作られるポリエステル繊維です。
定義と概要
リサイクルポリエステルは、回収されたポリエステル製品や、製造時に発生する端材・残材などを原料として再生した繊維です。再生原料を溶かして繊維化する方法のほか、原料を化学的に分解して再びポリエステル原料として用いる方法もあります。
原料の由来、再生方法、再生原料の配合率は素材ごとに異なります。したがって、「リサイクル」と表示されていても、再生原料が製品全体に占める割合や、追跡可能性の確認方法は同一ではありません。
特徴
一般的なポリエステルと同様に、強度を得やすく、しわになりにくく、比較的乾きやすい特性があります。フィラメント糸か紡績糸か、糸の太さ、組織、後加工によって、薄地から厚地まで幅広い風合いに設計できます。
一方で、リサイクル原料の使用だけで、生地の風合いや機能が一律に決まるわけではありません。吸水速乾、ストレッチ、撥水などの性能は、糸・編織物の設計や加工内容を個別に確認する必要があります。
- 織物、ニット、テープ・リボンなどに用いられます。
- 単独使いのほか、綿、レーヨン、ポリウレタンなどとの混用にも用いられます。
- 熱で変形しやすいため、高温処理には注意が必要です。
主な用途
シャツ・ブラウス、ワンピース、パンツ、ジャケット、コート、カットソーなどの衣料に用いられます。軽量性や乾きやすさを生かし、スポーツウェア、ユニフォーム、アウトドア向けのアイテムに採用される場合もあります。
タフタ、ツイル、トリコット、サテンなど、さまざまな組織や生地表現に展開されます。用途を決める際は、リサイクル原料の使用有無に加えて、目付、密度、厚み、ストレッチ性、必要な耐久性を確認します。
選び方と取り扱いの注意点
環境配慮に関する表示が必要な製品では、再生原料の由来、含有率、確認書類の有無を仕入先に確認します。混用素材、ラミネートやコーティング、付属品の構成によっては、製品全体が同じ再生原料でできているとは限りません。
縫製では、薄地は熱によるテカリやアイロン当たり、厚地や高密度品は針穴やパッカリングに注意します。試作時に縫い条件とプレス条件を確認し、量産前には洗濯後の縮率、寸法変化、色落ち・移染の程度を評価します。
洗濯やアイロンは、必ず生地や製品ごとの洗濯表示に従います。ポリエステルは熱に弱い面があるため、乾燥機やアイロンの高温設定は避け、プリント・コーティング・加工面への直接の熱当てにも注意が必要です。
似ている用語との違い
ポリエステルは石油由来などの原料から作られる合成繊維全般を指し、リサイクルポリエステルはそのうち再生原料を利用したものです。両者は繊維名としては同じポリエステルに分類されるため、品質や性能は個別の生地規格で判断します。
バイオポリエステルは、植物由来などのバイオマス原料を用いたポリエステルを指すことがあり、再生原料を用いるリサイクルポリエステルとは原料の考え方が異なります。また、リサイクルポリエステルは生分解性を意味するものではありません。
よくある質問
リサイクルポリエステルは通常のポリエステルと品質が違いますか?
再生原料を使うことだけで、通常のポリエステルより品質が高い、または低いとは一概にいえません。強度、風合い、染色性、耐久性は、再生方法、原料の管理、糸の設計、組織、加工条件によって変わります。採用時は規格書や試験結果で確認します。
リサイクルポリエステルは環境に配慮した素材と表示できますか?
再生原料を用いることは環境配慮の取り組みの一つですが、表示の可否や表現は、再生原料の由来、含有率、根拠資料、販売先の表示基準によって判断します。製品全体の素材構成や加工も確認し、根拠を超える表現は避けることが大切です。
リサイクルポリエステルは家庭で洗濯できますか?
家庭洗濯が可能な生地も多くありますが、素材名だけでは判断できません。混用繊維、編織組織、撥水・コーティングなどの加工、付属品によって適した洗い方は異なります。必ず生地の試験結果と製品の洗濯表示に基づいて取り扱います。





