アランソンレースとは
アランソンレースとは、花や葉の模様を太い輪郭糸で際立たせ、透ける地に配した立体感のある装飾的なレースです。
定義と概要
アランソンレースは、フランスのアランソン地方に由来するレースの名称です。伝統的には針を用いて作るニードルレースの一種で、網状の地に花や植物などの模様を表し、輪郭を強調した意匠に特徴があります。
現在は伝統的な手仕事による品に限らず、同様の外観をもつ機械製レースにも用いられることがあります。そのため、仕入れや仕様書では、製法、基布の有無、素材、伸縮性を個別に確認することが重要です。
つくり方と素材
伝統的な製法では、下絵に沿って輪郭となる太めの糸を置き、ボタンホールステッチなどの針仕事で模様と地を構成します。模様の一部に密なかがりや透かしを加えるため、繊細さと陰影を併せ持つ表情になります。
流通するアランソン調レースには、刺繍レース、ラッセルレースなど、機械で生産されたものもあります。素材はシルクや綿のほか、ナイロン、ポリエステルなどが使われ、ポリウレタンを混用して伸縮性をもたせた品もあります。
見た目の特徴と似ている用語との違い
最大の特徴は、花柄などのモチーフを囲む太い輪郭糸による浮き立つような表情です。モチーフ内の透かし、細かな網目、縁のスカラップが組み合わさることも多く、華やかで奥行きのある印象をつくります。
シャンティーレースは一般に細い糸で表した軽やかな柄が特徴で、アランソンレースのような明瞭な輪郭コードをもたないものが多くあります。リバーレースは製法の名称、ケミカルレースは基布を溶かして模様を残す製法・レースの名称であり、分類の基準が異なります。
- アランソンレース:輪郭糸でモチーフを際立たせる意匠が中心です。
- シャンティーレース:繊細な網地と軽やかな柄が中心です。
- リバーレース:機械製レースの製法を示す名称です。
- ケミカルレース:基布を除去して刺繍模様を残すレースです。
主な用途
ドレス、ブライダル衣装、ブラウス、スカートなどで、ヨーク、袖、裾、衿元の装飾に用いられます。全面使いでは存在感のある華やかな表情になり、部分使いでは無地素材との対比によってレースの柄を引き立てられます。
ランジェリーやインナーでは、肌側への当たり、縁の硬さ、伸縮方向を確認します。透け感を抑えたい場合は裏地を重ね、輪郭や柄を見せたい場合は配色の異なる下地を組み合わせる方法があります。
選び方と取り扱いの注意
用途に応じて、輪郭糸の太さ、柄の大きさ、スカラップの有無、地の強さを確認します。身頃に使う場合は柄の配置と必要用尺を検討し、端を生かす場合はスカラップ位置を含めて裁断計画を立てます。
レースは引っ掛けによる糸切れやほつれが起こりやすいため、裁断・縫製時には柄を傷めないよう注意します。伸縮性のある品は、伸び方向を確認し、縫製時に引っ張り過ぎないことが大切です。
洗濯方法は素材や加工で異なります。家庭洗濯が可能な場合でも、ネットの使用、弱い水流、他品との摩擦回避が一般的です。アイロンは当て布を用い、立体的な輪郭部分を強く押しつぶさないようにします。
よくある質問
アランソンレースはストレッチしますか。
アランソンレースの端はほつれますか。
基布のある機械製レースは裁ち端からほつれることがあり、モチーフ部分も引っ掛けで糸が切れる場合があります。スカラップを生かす、縫い代を残して縫い込む、必要に応じて端始末を加えるなど、レースの構造に合う始末を選びます。
アランソンレースは家庭で洗濯できますか。
可否は素材、染色、装飾の有無によって異なるため、洗濯表示に従います。洗える表示でも、摩擦や引っ掛けを避けるためネットを使用し、強い脱水や乾燥機は控えることが一般的です。不安な場合は目立たない部分で事前に確認します。





