ラペルピンとは
ラペルピンとは、ジャケットの下衿にあるフラワーホール周辺へ付け、装いに装飾性や個性を加える小型のピンアクセサリーです。
定義と付ける部位
ラペルピンは、スーツやジャケットのラペル、すなわち前身頃から続く下衿に着ける装飾品です。一般的には左側のラペルにあるフラワーホールへ通すか、その近くの生地にピンを留めて用います。
フラワーホールは本来、花を挿すための穴です。ラペルピンもこの位置に着けられますが、花そのもの、または花を模した装飾を指すブートニエールとは、用語上は区別されることがあります。
形状と留め方
意匠には花、植物、動物、紋章風、リボン形、幾何学形などがあります。小さく立体的なモチーフから、細い棒状のピンまで形は多様であり、ラペルの幅や生地の表情との釣り合いが見え方を左右します。
留め方は、針状の軸を生地やフラワーホールに通し、裏側の留め具で固定する方式が多く見られます。留め具にはキャッチ式やねじ式などがあり、針の長さ、先端の鋭さ、固定性はジャケットへの付けやすさに関わります。
- フラワーホールに通すタイプは、穴の位置を利用して付けます。
- 生地に直接刺すタイプは、穴のないラペルにも付けられます。
- チェーン付きのタイプは、ボタン穴などを利用して装飾的に留めるものがあります。
素材と仕上げ
本体には真鍮などの金属をはじめ、ガラス、ラインストーン、イミテーションパール、樹脂などが用いられます。素材、色、表面の光沢、石やパーツの有無によって、控えめな印象から華やかな印象まで調整できます。
金属部分には光沢を抑えた仕上げ、鏡面調の仕上げ、メッキなどが用いられることがあります。着用時は、ジャケットのボタンや腕時計などの金属色と必ずしも完全に一致させる必要はありませんが、色数と光沢感を整理するとまとまりやすくなります。
装いとの合わせ方
ビジネススーツ、ジャケットスタイル、パーティーや慶事の装いなどで、胸元のアクセントとして用いられます。昼の装いでは素材感や色を抑えたものがなじみやすく、夜の会食や華やかな場では光沢や装飾性のあるものも選択肢になります。
正礼装や準礼装では、場の慣習、招待状のドレスコード、主催者側の指定を優先します。とくに厳粛な式典や弔事では、装飾的なラペルピンを控えることが一般的です。ブラックタイやホワイトタイでは、ラペルピンよりも装いの規定に沿った胸元の整え方を優先します。
選び方と取り扱いの注意
選ぶ際は、モチーフの大きさと重量、針の太さ、留め具の外れにくさを確認します。重いものや針の太いものはラペルが下がったり、繊細なウール地や薄地に穴跡を残したりする場合があるため注意が必要です。
着脱は、針先で表地や裏地を引っ掛けないよう平らな場所で行います。使用後は汗や皮脂を柔らかい布で軽く拭き、ほかのアクセサリーと接触しないよう保管します。メッキ、接着装飾、石付きの製品は水分や摩擦による変化にも注意します。
よくある質問
ラペルピンはどこに付けますか。
一般的には、ジャケットを着た本人から見て左側のラペルに付けます。フラワーホールがある場合はその穴を利用できます。穴がない場合はラペルの表裏を針で通して留めますが、目立つ穴跡が残らないか生地の厚みを確認します。
ラペルピンとブートニエールの違いは何ですか。
ラペルピンはラペルに留める小型のピン装飾全般を指します。一方、ブートニエールは本来ラペルのフラワーホールに挿す花飾りを指す用語です。ただし、花形のラペルピンをブートニエール風と表現する場合もあります。
フォーマルな場でラペルピンを付けてもよいですか。
慶事やパーティーでは、控えめな意匠のラペルピンが胸元のアクセントになることがあります。ただし、格式の高い式典では招待状のドレスコードや主催者の意向を優先します。弔事では光沢や装飾性のあるものは避けるのが一般的です。





