ルレットとは
ルレットとは、歯車状の先端を転がし、型紙と生地の間に置いた複写紙などを通して、縫い線やダーツ位置などの印を写すための手芸・縫製用具です。
定義と概要
ルレットは、持ち手の先に回転する車輪を備えた印付け用具です。型紙の上から線をなぞって転がし、下に敷いた複写紙の色を生地へ移す方法で、縫い線、合印、ダーツ、ポケット位置などを写します。
製図したパターンをトワルや生地へ正確に移す工程で用いられます。紙だけに線を写す用途にも使われますが、衣料生産では生地表面を傷めないこと、印が後工程で残らないことを確認する必要があります。
使い方
基本的には、平らな作業台に生地を置き、その上に複写紙、さらに型紙を重ねます。型紙がずれないように固定してから、必要な線に沿ってルレットを一定の力でゆっくり転がします。
強く押し付けすぎると、生地に穴、毛羽立ち、光沢変化などが生じることがあります。まず端切れで印の見え方と落ちやすさを試し、本番では必要最小限の圧力と回数で作業することが重要です。
生地の表裏や裁断枚数によって複写紙の向きと色を使い分けます。縫い代の内側など、完成後に隠れる位置へ印を入れると、表面への影響を抑えやすくなります。
- 型紙と生地をまち針や重しで固定します。
- 複写紙の色が生地に適するか端切れで確認します。
- 直線は定規を添え、曲線は型紙の線に沿って転がします。
- 作業後は印の位置と、表面に傷や色移りがないか確認します。
種類と選び方
ルレットには、先端が鋭い歯車状のものと、歯先が比較的丸いものがあります。鋭いタイプは紙やしっかりした生地に線を写しやすい一方、薄地、起毛地、コーティング地などでは傷を付けるおそれがあるため注意が必要です。
歯が細かいタイプは、曲線や細かなパターン線を追いやすい傾向があります。歯が粗いタイプは点状の印になり、連続した線を強く残したくない場合に使い分けられます。先端が滑らかな無歯タイプは、複写紙の上から圧をかけて写す用途に向きます。
選定時は、生地の厚み、表面の繊細さ、必要な印の明瞭さ、複写紙との相性を確認します。ニットやストレッチ素材は伸びやすいため、ルレットで強くなぞらず、チャコやしつけ糸など別の印付け方法も検討します。
手入れと安全上の注意
使用後は、車輪や軸に付着した複写紙の粉、生地の繊維、油分を乾いた布で拭き取ります。車輪の回転が悪いまま使うと、線が途切れたり生地を引っ掛けたりするため、無理に使用せず状態を点検します。
歯先は鋭利な場合があるため、手指を押し当てたり、机上に先端を露出したまま放置したりしないでください。保管時はキャップやケースを用い、ほかの裁縫道具や生地を傷付けないようにします。
熱や湿気の多い場所では金属部がさびることがあります。水分が付いた場合は十分に拭き取り、異常なさび、変形、ぐらつきが見られる場合は、生地への使用を避けます。
似ている用語との違い
チャコは、生地表面に直接線や点を描く印付け材料・用具です。ルレットは単独で色を付ける道具ではなく、多くの場合は複写紙と組み合わせ、型紙の線を圧力で写す点が異なります。
目打ちは、縫い代を開く、角を整える、穴位置を示すなどに使う先端の尖った用具です。ルレットも先端を持ちますが、主目的は車輪を転がして連続的な印を付けることであり、点を突いて印を付ける目打ちとは用途が異なります。
よくある質問
ルレットだけで生地に印を付けられますか?
歯先の形状によっては圧痕や点状の跡が残ることがありますが、一般的に明確な色線を写すには複写紙と併用します。生地に直接使う場合は傷や跡が残る可能性があるため、必ず共布の端切れで試してから判断します。
薄地やニットにルレットを使ってもよいですか?
薄地、起毛地、表面加工された生地、伸縮性の大きいニットでは、歯先による傷、色移り、伸びが起こる場合があります。ルレットを使う場合は丸い先端と弱い圧力で試験し、適さなければチャコやしつけ糸などへ切り替えます。





